津田清楓は、大正時代には、夏目漱石の本の装幀を手がけました。その図案の豊かな風合いが素晴らしく、デザインは、とてもモダンです。工芸品の下絵として捉えられがちだった「図案」が、「自己の表現」、「芸術」を志向するようになった時代に生み出された「新しい図案」として、かわいいもの、綺麗なもの、素朴で繊細で温かい工芸品になり、心を打つ作品がいっぱいです。

松濤美術館の入り口
左の図案は『青もみぢ』明治32(1899)年

松濤美術館は、白井晟一の設計で、内部の階段がとても素敵でした。

美しい螺旋階段
1階のロビーの丸窓

明治30年代に京都で多くの図案集を出版し、大正時代には、夏目漱石、鈴木三重吉らの本の装幀も手がけた津田清楓(1880~1978)を軸に、図案集と図案に関する作品が紹介されています。

『うづら衣』明治36(1906)年
第2会場案内版

8月22日(日曜日)まで開催しています。

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